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【第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門特別表彰。日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭2025正式参加。15歳の新星・原田琥之佑主演で描く、横浜聡子監督待望の最新作!】『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』でその度ごとに話題を巻き起こして来た監督・横浜聡子が、知る人ぞ知る孤高の漫画家・三好銀の晩年の傑作「海辺へ行く道」シリーズをまさかの映画化。主演をつとめるは、約800人のオーディションを経て主演を射止めた15歳の俳優・原田琥之佑。麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、諏訪敦彦、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀ら個性豊かな大人たちに加え、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせなど、実力派の若手俳優たちが見事集結。さらに様々なシーンから熱烈な支持を受ける至高のラップトリオDosMonosのフロントマン荘子itが、初の映画音楽を担当。予期せぬ出来事と出会う人生の幸福を、陽気なユーモアと想像力で描く、永久不滅のマスターピース爆誕!【子供たちの小さな冒険と大人たちの秘密と嘘。人生は予測できない魔法で溢れている。】アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず、演劇部や新聞部の手伝いで毎日忙しい。街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。ものづくりに夢中な子供たちと、秘密だらけの大人たち。果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。

Director's profile監督プロフィール

横浜聡子(よこはまさとこ)

横浜聡子

1978年、青森県生まれ。横浜の大学を卒業後、東京で1年ほど会社員をし、2002年に第6期映画美学校フィクションコース初等科に入学。2004年、同高等科卒業。卒業制作の短編『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』が2006年第2回CO2オープンコンペ部門最優秀賞受賞。CO2からの助成金を元に長編1作目となる『ジャーマン+雨』を自主制作。翌2007年、同作で第3回CO2シネアスト大阪市長賞を受賞。自主制作映画としては異例の全国劇場公開となる。2008年、商業映画デビュー作『ウルトラミラクルラブストーリー』(出演:松山ケンイチ、麻生久美子)を監督、2009年6月に全国公開。同年のトロント国際映画祭、バンクーバー国際映画祭他、多くの海外映画祭にて上映された。また同作にて主演の松山ケンイチが第64回毎日映画コンクール男優主演賞、第24回高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞、作品が第19回TAMA CINEMA FORUM最優秀作品賞を受賞した。2016年『俳優 亀岡拓次』(出演:安田顕、麻生久美子)が公開。2021年に全編青森にて制作した『いとみち』では同県出身の駒井蓮をヒロインに迎え、第16回大阪アジアン映画祭にて観客賞とグランプリをダブル受賞。第13回TAMA映画賞特別賞、第36回山路ふみ子文化賞を受賞するなど、多数の賞を受賞した。日常にたゆたう「名もなき存在」を捉える鋭い洞察力とオリジナリティ溢れるユニークな表現は中毒性が高く、業界内外で熱狂的なファンを擁す。その他の作品に、短編映画『おばあちゃん女の子』(2010)『真夜中からとびうつれ』(2011)『りんごのうかの少女』(2013)『トチカコッケ』(2017)、テレビドラマ「バイプレイヤーズ 」シリーズ(2017〜18/TX)「ひとりキャンプで食って寝る」(2019/TX)「有村架純の撮休」(2020/WOWOWプライム)「季節のない街」(2023/Disney+)など。

最新作『海辺へ行く道』は、2025年開催の第75回ベルリン映画祭に正式出品され(英題:Seaside Serendipity)ジェネレーションKplus部門にてスペシャルメンション(特別表彰)を獲得した。「ジェネレーション部門」は1978年に設立され、子どもが主人公であり、子どもを題材に扱った作品が対象。『海辺へ行く道』にスペシャルメンションを授与した国際審査員は、「この映画は、優しさと遊び心のあるユーモアで私たちの心を掴みました。明るく陽気な想像力と創造力で、芸術の無限の可能性と、予期せぬ出来事と出会う幸福を思い出させてくれました」と評した。受賞時の横浜監督のコメントは以下の通り。

- ベルリン映画祭受賞コメント -

この映画は劇的な出来事は起こりませんし社会問題を叫ぶ映画でもありません。何か素敵なことが起こるかもしれないというささやかな予感を胸に、無邪気に作品を作り続ける若者たちの映画です。今回賞をいただけたのは、そんな、目に見えない、言葉で表せない彼らの“予感”が伝わったからかもしれません。ジェネレーション部門の審査員の皆さん、この作品を選んでくださり本当にありがとうございます。

私はこの作品の原作者である三好銀さんから、寛容さとユーモアを学びました。否定もせず肯定もせず、ただ人の存在を丸ごと受け止める寛容さ、そしてユーモア。ユーモアは人を絶望や断絶から時に救ってくれます。ベルリンの観客の皆さんは、この映画に散りばめられたユーモアを見てたくさん笑ってくれました。私はその瞬間が一番幸せでした。ベルリンで聞いた笑い声と温かい拍手を支えにこれからしばらく生きていける気がします。観客の皆さん、ありがとうございます。

公開決定時コメント
場面写真

original原作情報

三好銀(みよしぎん)

漫画家。1955年、静岡県生まれ。1989年に週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)でデビューし、1991年から1994年にかけてエッセイコミック「三好さんとこの日曜日」を発表。同作は、単行本未収録分が『いるのにいない日曜日』のタイトルで2009年にKADOKAWAより刊行された。2000年に漫画家・やまだないととの共著『FAX PRESS』(竹書房)、2003年に小説家・角田光代との共著『西荻窪キネマ銀光座』(実業之日本社)を刊行。2008年から2012年に月刊コミックビーム(KADOKAWA)で「海辺へ行く道」シリーズを発表。その他の著者に『もう体脂肪率なんて知らない』『私の好きな週末』など。2016年8月31日、膵臓癌のため逝去。61歳没。

孤高のマイナー・ポエット
三好銀 晩年の傑作 『海辺へ行く道 夏』 『海辺へ行く道 冬』
 『海辺へ行く道 そしてまた、夏』

『海辺へ行く道 夏』 『海辺へ行く道 冬』 『海辺へ行く道 そしてまた、夏』

ささやかな日常と時に胸を締めつける思いに溢れた、ファンタジックかつリアリティーに満ちた海辺の街の点景集。2008年より月刊コミックビームにて発表された「海辺へ行く道」シリーズは、晩年にしてなお一層斬新なビジュアル表現と、独特の語り口で紡がれる世界観から、漫画ファンの間で「傑作」の呼び声が高い。1話完結の物語集だが、それぞれの物語がリンクした群像劇となっている。とりわけ「ここからは天国しか見えやしない」はファンの間でも語り継がれる名ゼリフ。

アーティスト三好風太

原作をなぞるわけでも、かといって蔑ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました。その手つきは、ときに軽やかでときに不穏な、劇中のアーティストたちの不定形な振る舞いとも、重なっているのかもしれません。父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とても嬉しく思います。

Music音楽

荘子it(ソウシット)

荘子it

1993年8月24日生まれ、東京都出身。2015年に中学生時代の友人であるTaiTan(タイタン)と没 aka NGS(ボツ・エーケーエー・エヌジーエス)と共にDos Monos(ドスモノス)を結成、全曲のトラックとラップを担当する。18年にアメリカのレーベル・Deathbomb Arcと契約を結び、19年3月に1stアルバム「Dos City」でデビュー。20年に「Dos Siki」、21年に「Dos Siki 2nd season」「Larderello」などの作品をリリース。英ロンドンのバンドblack midi、米アリゾナのInjury Reserveや、台湾のIT大臣オードリー・タン、小説家の筒井康隆らとの越境的な共作曲も多数。24年3月に吉田雅史との共著書「最後の音楽:|| ヒップホップ対話篇」を上梓。5月末にリリースしたアルバム「Dos Atomos」以後、Dos Monosは第二期へ移行しヒップホップクルーからロックバンドになった。25年5月7日に最新作「Dos Moons」をリリース。
本作で自身初の映画音楽を手掛けた。

- コメント -

一見すると朗らかな子どもたちの映画に見えるが、静かに常軌を逸した父性の失調により、底知れぬ不気味さと明るさが共存した前代未聞の映画で、世間からは全く評価されないか絶賛されるかのどちらかだろうな、と思いながら劇伴を作りましたが、初お披露目のベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でいきなり望外の評価を受けてとてもとても嬉しいです。皆様も是非it。